【オーストラリア生活】オーストラリア上陸、すぐに緊急事態発生②

左目を負傷した手負いのボクサーにとって、まず最初の関門は、受付のおばちゃんでした。何しろ私はその眼科の予約を取ってないんですから。

予約を取らなかった理由は、予約を取ろうとするとその日の予約なんて取れないからです。緊急のフリして現地に突撃しろ!!!というのが夫の荒めアドバイスでした。

受付のおばちゃんは神妙な面持ちで、この迷い込んできた患者なのか浮浪者なのかもわからない私を覗き込み、何か尋ねました。

とはいえ何て聞いてくれてるのかわからない。もう一回聞かれても、わからない。

ここが私のダメなところなんですが、わからないからとりあえず、

「ノー。」って言っちゃったんです。

そしたらそのおばちゃん、「Why?」の砲撃をするではありませんか。キレ気味にWhy?の銃撃を何度も浴び、もともと傷を負った目からさらに涙まで流れそうな状況。

とにかく今帰されたら死んでやる!という気概だけはあったので、

仁王立ちしながら今まで隠していた秘密兵器の左目をここぞとばかりに公開し、

わざと瞼をピクピクさせ、「ペインフル、ペインフル(painful)」と訴えかけました。

痺れを切らした受付のおばちゃんは、「緑内障(glaucoma)の専門医は予約でいっぱい。専門医じゃなくてもいいなら3時間後に診られる。」と言ってくれたので、3時間待つことにしました。

その待ち時間ほど緊張したことはありません。部活の試合前も、大学入試前も、就活の面接前も、仕事のプレゼン前も、ここまで緊張しなかった。

その3時間は怒涛の準備期間でした。受験生顔負けの集中力で病院の机にかじりつき、思いつく限りの目にまつわる英単語(glaucoma:緑内障 eye sight:視力 eye field:視野 red eye:充血 pink eye:結膜炎 など)を頭に叩き込みノートにメモし、

いつから緑内障なのか、今使っている目薬の名前、いつから目が痛いのか、目の手術歴はあるか、保険証は持っているか…など想定問答を作ってそれも頭に叩き込みました。

そしてノート片手にカタコトで話す患者にはせめて優しくしてくれるだろうという希望的観測もありました。

あっという間に時間は過ぎて3時間後、中国人の30代後半とおぼしき女性眼科医が私を診てくれました。

視野検査などの検査もし、「問題無し」と言って肩をさすってくれた時の安堵の気持ちは忘れません。

そこから処方箋をゲットし、目薬の使い方を教わり、次回予約を取る、薬局で目薬をゲットする。という一連の病院イベントをどうにか成し遂げた私は、急に、

「私、生きてける。」と思いました。脳内で「はじめてのおつかい」のBGMが流れてました。

何はともあれあの3時間で覚えた英単語は1年後の今も、ひとつ残らず覚えています。土壇場の記憶力って忘却曲線を描かないんですね。

ところであの受付のおばちゃんが何に対して「Why?」攻撃をしてたか振り返ってみると、

「紹介状(Letter of reference)はあるか」聞いてたんだと推測します。

オーストラリアでは紹介状をGP(General practitioner)という一般病院で取ってからじゃないと、どこの病院にも直接行けないシステムなので、GPからの紹介状があるか聞かれた答えが「ノー。」だとそもそも診察ができないという答えなんです。

私からすると日本で書いてもらった紹介状(日本語版、英語版両方)があったのに、なぜGPの紹介状まで必要なのか意味がわからず、英語力の低さも相まって「ノー。」しか言えませんでしたね。

とにかくオーストラリアのまつ毛サロンのパーマ薬剤は鬼強だということ、体を張って学んだので、

資生堂のビューラーにお世話になっております。

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